今回参拝した神社…武蔵一宮 氷川神社
・氷川神社について
大宮の氷川神社は、関東を中心に点在する氷川神社の総本社である。社名の由来はいくつか伝わっているが、出雲の川から取った説・清涼な水が豊かだったからという説の二種がある。
祭神は須佐之男命・稲田姫命・大己貴命で出雲系の神々が揃う。摂末社も多いため、今回は氷川神社本社だけを扱い、その他の摂社・末社は別枠で紹介する。
私を含む地元の人には「大宮の氷川さん」と呼ばれて親しまれ、何かがあると祈願に行く神社である。初詣には全国から人が集まり、150万人とも称される参拝客でにぎわう。
創建は二千数百年前の孝昭天皇三年と伝わり、日本武尊が東国征伐の祈願をした神社の一つである。神話では出雲系氏族とのつながりも示唆され、延喜式などにも登場する。日本武尊の逸話からか武家からの崇敬も厚く、源氏将軍以下鎌倉武士・足利氏・後北条氏・徳川氏など、関東を地盤にした武家からの保護を受けた。
明治以降も明治天皇の行幸を受けるなど皇室との関りが深く、また武蔵一宮という事情から、悲劇の軍艦「武蔵」の艦内神社ははここから分祀されていた。
なお武蔵国一宮を主張する神社は複数あり、例えば府中市の大國魂神社などもそうだが、一般的には氷川神社が一宮だと見做されているらしい。
参道の長さは約2kmあり、日本一長い参道を主張している。また野球場・サッカー場・陸上競技場などが揃う大宮公園は元々神社に附属した森であり、現代でも広い境内(三万坪)がかつてはさらに広かったようだ。
・二の鳥居
ここでは二の鳥居から紹介する。日本一長い参道と呼ばれるだけあって、一の鳥居から境内までは約2km。直線とはいえ歩いて30分近くかかる。参道に「○○丁」という石があるのは、鳥居からの距離を示すためである。とにかく長い。
参考までに普段は末尾に付する地図をここに付けるが、境内から見ると三の鳥居の下、うっすら緑に伸びていくのが参道である。この縮尺では二の鳥居にすらたどり着けず、神社の森も納まりきっていない。とても広いのだ。
今回の参拝は別の用事も控えていたから、二の鳥居から参拝した。鳥居の前の交通量はそこそこあるし、信号の位置も参道から少しずれているので、交通ルールを守って渡ろう。
・三の鳥居
三の鳥居。ここからいよいよ神社の施設や各種摂末社が見えてくる。よこの案内図は、境内の神札授与所などで貰えるパンフレット(「武蔵一宮 氷川神社略記」)にも載っている。あると何かと便利である。ただし天満神社だけは離れた二の鳥居近くにある、注意。
・神楽殿
三の鳥居から入って右側にある。今でも時折神事や楽団などの公演が行われる。写っている緑文字の額が作られたのは昭和43(1868)年、明治百年祭のころだとか。
・額殿
神楽殿の奥にある。この日は秩父のワイン業者から奉納された樽が置いてあった。かすれて見えないものもあるが、江戸期以降の額が揃っているようだ。
・戦艦武蔵の碑
先述した通り、氷川神社は戦艦武蔵と関りが深い。よって顕彰(と慰霊?)のために、二の鳥居から入って左側に碑がある。境内から奥に入った方には埼玉県護国神社もあるため、興味のある人は一緒に参拝しよう。
・手水舎(稲荷神社横)
三の鳥居から少し奥に入った、末社の稲荷神社横に手水舎がある。元々稲荷神社のものだったのだろうか。パンフレットには手水舎とだけ説明がある。
・手水舎(楼門前)
神池を通り抜けた先にある手水舎。一般的にはここで清めてから参拝する人の方が多いようだ。
・楼門
楼門。拝殿に参るには、この門か東門を通らねばならない。よくある形式だが、二階の高楼部分はおそらく飾りなのだろう。初詣に来ると、このあたりから本当の修羅場と化す。
・舞殿
楼門をくぐってすぐ先にある。神楽殿と同様、ここでも舞などが奉納される。むしろこっちがメインなのだろう。本殿もバックにして撮れるため、写真内でもやっているがよく記念撮影をしている人がいる。
・拝殿と本殿
拝殿と本殿。初詣の際には足の踏み場もないほど人手がありにぎわう。関東有数の古社にふさわしい風格を備え、装飾はそこまで派手ではないものの、伝統的な調和のある様は見ごたえがある。
摂社末社は指定有形文化財に指定されている場合があるのに、楼門や拝殿・本殿は選から漏れている。明治以降に修築されたのが要因だろうか?
・おわりに
氷川神社は全国有数の大社であり、大宮公園をはじめ周辺施設も充実している。おしゃれなカフェやレストランも多く、カップルが一日を過ごすには最適な場所…と思われるが、実際にはそうではない。私の周りには、大宮公園に長時間居座るとそのカップルは分かれるという伝説があり、何を隠そう私も二回ほどこのジンクス通りに破局を迎えた。デートで行くより一人で行こう。よしんばそういう相手と行くにしても、恋人関係になる前に行こう。
参考サイト
・武蔵一宮 氷川神社
musashiichinomiya-hikawa.or.jp