今回参拝した神社…手向山八幡宮
・手向山八幡宮について
手向山(たむけやま)八幡宮は、かつて東大寺の鎮守として信仰を集めた社である。
主祭神は応神天皇・姫大神・仲哀天皇・神功皇后・仁徳天皇。いわゆる八幡信仰の中核である。
元々は東大寺大仏殿の傍ら、池のほとりにあった。しかし源平合戦の最中、いわゆる南都焼き討ちに遭い東大寺と一緒に灰燼に帰した。鎌倉時代、重源によって東大寺が再建されたとき、現在地に遷座したという。
摂末社の数は多く、Wikipediaの記載順に紹介していくと
武内神社
高良神社
若殿神社
明武神社・劔神社・八子神社・松童神社(四社合殿)
阪本神社・恵比寿神社(二社合殿)
住吉社
大国殿
鑰取神社
五百立神社
があり、かつては南都有数の大寺の鎮守として威容を誇ったものと推測される。なお、この記事の記載を見れば分かるが、事前調査のまずさと大雨に伴う撮影ミスがあり、上記の社を殆ど撮り逃している。最悪である。
私の雑感は兎も角、南都焼き討ちなど幾度か戦火を被ったがその度に再建され、現代まで長く信仰を集める神社と言えよう。
・鳥居
ここからは建造物の紹介。鳥居は石造りで、二つある。一つは東大寺三月堂方面に、もう一つは若草山~春日大社方面に通じている。奈良観光のゴールデンコースに沿う良い立地と言えよう。
・楼門
楼門は立派なもので、本殿周囲を巡る回廊に口を開けている。元禄時代に再建された本殿等と並んで文化財になっているので、この門も同時代の創建だろうか。
・拝殿・本殿
拝殿と本殿は元禄時代の再建で、ともに県指定の文化財になっている。拝殿は神楽殿・舞殿を兼ねているのだろうか。
・その他末社など
神楽所+東照宮…東照宮は神仏分離でここに移った。気候のせいか結構痛みが見える。
大黒殿…大黒天を祀る。休憩所も兼ねるか?
菅公腰掛石…菅原道真が腰をかけたとされる石。この社で歌を詠んでいる。先述の通り鎌倉時代に遷座しているので、元は別の場所にあったものと思われる。
明武神社・劔神社・八子神社・松童神社(四社合殿)と阪本神社・恵比寿神社(二社合殿)…どのような由緒で祀られているのかは未詳だが、並んで建っている。
住吉社?…三口あるので住吉神を祀っているかと思われるほこら。住吉社なら重要文化財である。
・おわりに
この社は自然が美しいところであり、雨の中でも相当に風情があり良かった。
しかし程度によりけりで、この日はあいにくの大雨、東大寺二月堂からの景色が以下のような状態であった。
摂末社の取りこぼしもあり、もう一度訪れてみたい神社である。奈良観光の王道、東大寺~春日大社の中間と言うこともあり、観光ついでによるのも楽しいだろう。