気のゆくまま筆のゆくまま

日々感じたことを書きます。

20代後半から必要になる栄養素がある

・嗚呼、老化

若いころは(と言ってもまだ20代だが)、可愛いものを見ているだけで軟弱だという考えがあった。

自我の形成期である思春期、私はかなり荒れた中学校に通っていた。そんなクラスの雰囲気は上記のように男が可愛いものを見るのはおかしい、といって虐めるようなものだ。実際に男がアニメキャラのキーホルダーやマスコット人形を持っていたら溝に捨てる、というような行為が多発していた。

こういった環境で私も数年前まで「可愛いという言葉自体が軟弱であり、大丈夫たる者軽々と発していい単語ではない」と感じていたのだが、最近考えが変化し、むしろ可愛いものを見て一人ニヤつくヤバい奴になってしまった。多分中学生の自分が見たら木刀で殴る。では何故そうなったのだろうか。単純に言えば老化のせいである。

 

・嗚呼、ストレス

時を私が20歳だったころに戻そう。あの頃は平気で一日6時間くらいPS Vitaで遊んでいても平気だったし、ゼミの課題などを除いても1日3時間くらい本を読んでいた。これで既に9時間である。睡眠が7時間として、後の8時間を食事・入浴・家事・デート(当時は狂ったように"やって"いた)に使えていた。それだけ心身共に体力があり、物事に没頭して気づいたら日が落ちていた、ということもあった。

だが、ここ数年になると事情が違ってきた。まずは身体面から見ていくと、持病の腰痛が悪化して、長時間同じ姿勢でいられなくなってきたのだ。さらに、一つの遊びに集中して取り組むだけの意識も摩耗してきていて、3時間もゲームをしていると飽きて休憩してしまう。

個人的な考えだが、趣味は心の健康を保つために必須なものだと思う。ただでさえ高ストレス社会と言われる現代、さまざまな心の重しを外す機会は多くて然るべきだ。しかし、それをやるだけの集中力は失われている。私の場合、こういった娯楽はストレスを除去すべくやることが多いので、心の通風孔が詰まってしまうのだ。

 

・可愛!!可愛!!我好動物!!大好奇異鳥!!

だからこそ手軽にサクッとストレスを解消できるものが要るのだが、最適なのは動物や可愛いものを見ることだと思う。実際、そういったものは見るだけで心機を爽快にさせる何かがある。

一時期癒しブームというものがあったが、今や完全に定着したのはそういった需要が高いからだろう。最近は職場のオッサンも犬の卓上カレンダーとか猫のキーホルダーをもっていたりするが、話題作りに使うと「これ可愛くってさあ」という回答が返ってくることが多い。特にペットというわけでもなく、ただ可愛いものを日常的に見るべく、よく使うものにそういう意匠を使っているのだ。

かくいう私もそうだ。部屋の机にはいま人気の「ゆるいキーウィ」の卓上カレンダーが備わっているし、マグカップも同様だ。Twitterのリストには動物園の画像だけが流れてくるものがあるし、要は癒しに飢えているのだ。

だから案外、オッサンがかわいいものを求めるのは、こういった塩梅式かもしれない。