今回参拝した神社…調神社(つきじんじゃ)
・調神社について
調神社はさいたま市浦和区に鎮座する古社で、創建は開化天皇の時代と伝わる。伊勢神宮に献上するもの、すなわち調(つき、租庸調の調と考えると分かりやすい)を貯めておくための倉庫があったことから、この社名になった。
祭神は天照大御神・豊宇気姫命・素盞嗚尊。日本神話を代表する神や食べものに関わる神様となっている。
中世以来足利や徳川などの武家から崇敬をあつめ、江戸期には行楽の地としても人気があった。またいわゆるお月様への信仰を
この神社に関するトピックが二つある。一つは鳥居が無いことだ。一説には伊勢神宮への献上品を出し入れするのに邪魔だから、と作らなかったと伝わる。
もう一つは狛犬が無く狛兎になっていることだ。つき神社→月神社、という信仰の変遷から生まれたらしい。
この社は旧浦和市内の人々から厚い崇敬を集め、初詣や七五三、初午やお宮参りの際には盛んに参拝されている。私も親戚のお宮参りに同行を頼まれ、複数回本殿へ上がったことがあった。
・神社の紹介
・参拝口
では神社について見ていこう。先述した通りこの神社に鳥居はないため、出入り口は写真のようになっている。なお初詣などの混雑時には一方通行制が敷かれるため、ここに戻ることはできない。注意しよう。
・手水舎と狛兎
狛兎はどういう訳か手水舎の裏にある。車で来る人も多いので、それに向かっているのだろうか。
・神楽殿
神楽殿で注目すべきは扁額で、中でも高校野球で有名な浦和学院野球部のものが眼を引く。周囲は駐車場なので車に注意。
・拝殿
拝殿は本殿と一緒になった造りで、上記のようなときには中に入れてもらえる。安政時代の作という。
・その他末社など
金毘羅神社…由来は未詳だが鎮座。調神社には鳥居がない、と先述したが、この社のものと思しき鳥居は設置されている。
調天神社…こちらも由緒は未詳。天神様を祀る。金毘羅神社の隣に位置する。
稲荷神社…由緒は未詳だが古くからあったらしい。現在の社は調神社の旧社殿であり、安政時代の改修のさい稲荷神社へ転用された。彫刻が美しく、さいたま市の指定文化財になっている。覆いが掛かっているので、肉眼で見るのが吉。
・おわりに
地域からの崇敬を集める調神社。隣は公園になっていて、おそらくここでお宮参りや七五三を済ませた子供たちが遊んでいる。
駅から少し歩く場所にあるが、浦和に来た際には寄ってみると意外な発見があるかもしれない。
参考サイト
さいたま市観光国際協会