気のゆくまま筆のゆくまま

日々感じたことを書きます。

初めて競馬場に行こうとしている人たちへ

いま、若い世代で競馬を観る人が爆発的に増えた。言うまでもなく原因は某ソシャゲだ。これを切っ掛けに競馬場に行ってみようかな、と考えている人もちらほら観る。

競馬の裾野が広がるのはとてもいいことだし、競馬場に人が増えることも歓迎だ。しかし、なまの競馬とゲームは違う。サラブレッドは馬であってウマ娘ではない。

また、古くからの競馬ファンにはオタク層・にわかファンに対する根強い反感があり、競馬場で少しでも則を超えた行為(彼ら主観でだが)をすると、すぐに暴力を伴うトラブルが発生する可能性が高い。

そこでと言う訳ではないが、初めて競馬場に行く人向けに「これだけは注意して欲しい」点をいくつか書き連ねておく。

・馬券購入は速やかに済ませる

最近忘れられがちだが、競馬場は気の荒い人が集う賭博場である。

JRAはCMで若い男女も集うカジュアルな場所です、というイメージ作りに躍起になっている。しかし現実の来場者は無頼の男性が多い。この人どうやって社会の中で生きて居るの?と思いたくなるような容姿・言動をしている人も多々いる。

そういう人には近寄らないに越した事はない。しかしながらGI開催にもなると10万単位での来場者がいる競馬場で、それは無理な話だ。幸い(?)今は新型ウイルスのせいで入場制限があり、恐らくゆとりがある状態なのだが(抽選で外れまくっているので行った事がない、わからん)、通常状態の競馬場はまさに鉄火場である。

通路に新聞を引いて横になっている人、階段に座り込んで酒を飲みながら股を開いているお姉さん、スマホで競馬サイトを見ていると、何故新聞を買わないのかと怒鳴ってくる老人、トイレで性行為を狙ってくる変態…これはすべて私が十数年の競馬場通いで遭遇したケースである。

そういう人間と一番トラブルになりやすい場所、それが券売機の前である。

 

競馬場に来たほぼ全ての人が馬券を買う。中には馬券収入で生活していると称する変な人やギャンブル依存症で医者や家族に止められているにも関わらず買う狂人すらいる。

競馬場で馬券を買う以上、馬券売り場ではそんな殺気走った人たちと必ず相対する必要があるのだ。基本的に馬券売り場のスペースは足りていないと考えた方が良い。

余程良いクラスの指定席を取らない以上、券売機には常に行列が出来ている状況となる。レースにも投票時間があり、大抵の人々はパドックを見てから販売機に殺到するので、締め切りギリギリでそもそも買えるかどうかの瀬戸際にいるのだ。

ただでさえ殺気立っている人が前後にいる中、やってはいけない行為がいくつかある。

まず第一に割り込みだ。友達がいるからといって列に入る/入れるということをすると、たちまち前後の客から睨まれる。だけならまだいい。時折暴力シーンが展開されることになる。無駄に喧嘩をしたくない・出禁になりたくないなら割り込みは現金だ。

また販売機に付いてからマークシートを書き始める人がいるが、それも絶対NGである。なにせ後ろの列の殆どが、眼を血走らせている状況だ。馬券購入はどんなに点数があっても1分で済ませないと、最悪蹴られるか刺される。マークシートを確保したら、離れた場所で書いてから並ぶ。これが鉄則である。

だから、馬券売り場での行動は迅速に行い、速やかに買って離脱する。これがトラブル防止の第一歩となる。

 

・騒がない

何故か報道では美談のように語られるのだが。ファンファーレ時の手拍子・かけ声は馬にとって最悪の行為足りうる。私は(少なくとも18歳以降では)一回もこれらの合いの手・コールをした事がない。しかし競馬場には家庭に居場所が無く騒がないとやっていられない人・兎に角お祭り気分な人・それが「作法」だと思っている人がいて、パドックやスタンド前で終始絶叫しているオッサンオバサンがたくさんいる。

特にJRAキャラクターの来場時はすごい。ワグネリアンが勝ったダービーのとき、プレゼンターは俳優の松坂桃李だった。レース後に彼を一目見ようと集まったおばさんの奇声は、それこそこの世のものとは思われなかった。アーモンドアイの天皇賞も同様で、登壇したのは土屋太鳳だったと思うが女優目当ての助平爺が卑猥な言葉を叫んでいたものだ。

ところが、上述の通りこういった行動は馬にとって良くない。サラブレッドは聴覚に優れた生き物で、かつ臆病である。人間界にも騒音被害があるが、人間にとっても騒音になる大観衆の叫び声を、馬が聴いたらどうなるか?結果はお察しの通りパニックになる。

それにたびたび書いている通り競馬場には変な作法を持ち込み、反するとキレる人が多い。下手に叫んでいると、うるさい馬鹿野郎!!という怒りの鉄拳が飛んできかねない。逆にやらないと睨んでくる人もいるが、どちらにせよ怒られるなら騒がない方が馬には良い。

安全なレースと観戦を両立させたければ、なるべく騒がないのが賢明だろう。

 

・危ないところに行かない

何度も言うが競馬場はギャンブル場である。賭博に乗じた犯罪は多い。ノミ行為・払戻金目当てのスリ・強盗・八つ当たりの暴力・勝手に作ったハンデ表を基にした違法ギャンブル…こういった違法行為を行う人たちがいるのもまた、残念なことに競馬場の現実である。

人気のない階段、奥まった場所にあるトイレ、本来であれば立ち入り禁止の脇道…こういった場所で犯罪行為が多発していると言われている。私も殴り合いの喧嘩だけは見たことがある。

危険を避けるためにも、こういった危ない場所には近づかず、レースに集中できる所に陣取ろう。

 

・その他危迷惑行為や危ない場所。

他にも気を付けることはいくつかある。馬券売り場と同様飲食店の数も不足しがちだし、他の人へこぼしたりするトラブルもあり得る。だから飲食店へ並ぶときは割り込みや変なところに並ぶのを避け、食事は開けた場所でしよう。

スタンド下や内馬場、パドックなど観衆が立ち見をする場所には、ビニールシートや新聞がガムテープで地面に貼られている。これは場所取りのためだが、すこしでも場所をはみ出すと忽ちトラブルになる。観戦場所も慎重に選ぼう。なるべくは指定席が理想だ。

帰りの駅も割と危ない。全財産をスって、電車賃すら無くしたおっさんが、たかりをしていることがある。当然下手に断ると殴られる。競馬場周辺でもバス代タクシー代で似たようなトラブルが発生しているので、レース確定後さっさと払い戻して帰るか、逆に最終レースが終わるまで見ているか、場内あるいは近隣の飲食店に潜り込もう。

 

・おわりに

ここまで長々書き連ねてきたが、ちゃんとルールを守って観れば競馬は楽しい。また変な人を避ければトラブルに遭う確率もグンと下がる。

重要なのは短気を起こさないことで、こんな変な人もいた。とSNSに書き込む程度にしよう。過剰に反応すると流血沙汰になりかねない。なぜか護身用のナイフをもっている人もいる。

基本的にJRAの支持を守っていれば、危ない目には遭わない。ルールを守ってしっかり楽しい競馬ライフを送る人が増えれば幸いである。